マンガレビュー【海が走るエンドロール】65歳で映画を始める女性の物語|京アニ映画化決定!

正直、読む前は「シニア向けの感動系かな」と思っていました。

『海が走るエンドロール』は、年齢関係なく刺さる作品です。そして、スパの休憩室で読み始めて長居させて、身体が冷えてまた風呂に入らざるを得なかった作品。

「このマンガがすごい!2022」オンナ編第1位、京アニ制作でアニメ映画化決定。

まさか京アニでアニメ映画化されるとは思ってなかったので、たまげました。楽しみ!!

『海が走るエンドロール』ってどんな作品?

夫と死別し、数十年ぶりに映画館を訪れた65歳のうみ子。そこで映像専攻の美大生・海(カイ)と出会い、自分が「映画を撮りたい側」の人間だったことに気づきます。

65歳で映画の海へとダイブする——そんな物語です。創作に目覚めた女性の成長と葛藤を、海や波のメタファーを使いながら美しく描いた作品です。

📖 作品情報
著者:たらちねジョン
掲載誌:ミステリーボニータ(秋田書店)
既刊:全9巻(完結済み)
受賞:「このマンガがすごい!2022」オンナ編第1位
アニメ:京アニ制作でアニメ映画化決定(2027年公開予定)

65歳の主人公という唯一無二の設定

マンガの主人公って、だいたい若い人じゃないですか。なので、最初はうみ子の回想を主軸とした物語なのかな?と勝手に思ってました。

夫を亡くし、子育ても終わり、「もう自分の人生は終わったかな」という気持ちで生きていた女性が、映画という創作に出会って変わっていく。

等身大の65歳の女性の葛藤、孤独感、60歳を過ぎた女性を周囲がどう見ているか、などリアルな目線で淡々を描かれています。

「何歳からでも遅くない」というテーマって使い古されているようで、でもうみ子の場合は本当にそれを体現していて、読んでいると胸に刺さるものがあります。自分の年齢や人生と重ねて読める、稀有な作品です。

ひとさじ
ひとさじ

世界線の違う自分を見ている気持ちになってしまった

創作の喜びと苦しさの描き方がリアル

この作品、創作に関わったことがある人には特に刺さります。

映画を作る喜び、うまくいかない苦しさ、他人と比べてしまう葛藤——それが65歳の視点で描かれることで、妙なリアリティがあります。若い学生たちと同じ場所で学ぶうみ子の姿は、滑稽でも哀れでもなく、ただひたすら「かっこいい」んですよ。

映画制作の具体的な機材や技法も丁寧に描かれていて、映画好きにはたまらない内容になっています。

海や波のメタファーが美しい

この作品、絵と表現が本当に美しいんです。

登場人物の心情を「海」や「波」のメタファーで表現する演出が随所にあって、読んでいると詩を読んでいるような感覚になります。言葉で説明しすぎず、絵と空白で感情を伝える——そのセンスが際立っています。

たらちねジョン先生の画力と表現力があってこそ成立する作品だと思います。

ひとさじ
ひとさじ

海って恐くもあり、美しくもある

完結済みで一気読みできる

全9巻で完結しているので、読むなら今!!

私はスパで5巻まで一気に読んで、帰宅後全巻購入しました。次にスパに行くまで待てるわけないだろっ。

こんな人に特におすすめ

  • 映画・創作・アートが好きな人
  • 「何歳からでも遅くない」というテーマに響く人
  • シニア世代の主人公が読みたい人
  • 美しい絵柄・表現のマンガを読みたい人
  • 完結済みで一気読みしたい人
  • 京アニ映画化前に原作を読んでおきたい人

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読んで感じたこと

読み終わった後、しばらく余韻が抜けませんでした。

「何歳からでも遅くない」という言葉は世の中にあふれているけど、うみ子の姿を見ると本当にそうだと思えてくる。説教くさくなく、ただただ美しい物語として伝わってくるのが、この作品の凄さだと思います。

良いことも、辛いことも、悲しいことも、全て自分だけの物語なんだ、と自然と心に響きました。

「このマンガがすごい!」第1位の理由が、読めば必ずわかります。

まとめ

何歳からでも遅くないと思わせてくれる傑作

  • 65歳で映画を始めるという唯一無二の設定
  • 創作の喜びと苦しさがリアルに描かれている
  • 海・波のメタファーを使った美しい表現
  • 全9巻完結で一気読みしやすい
  • 2027年京アニ映画化前の今が読み時

読み進めると妙齢の女性には辛く感じるシーンもあるのですが、それこそがうみ子の心そのものだと思うので、是非最後まで読み通してほしいです。

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