マンガレビュー【こどものおもちゃ】平成りぼんの名作|笑いと涙が交互にくる唯一無二の少女マンガ

りぼん黄金期」と聞いて、懐かしさを感じる方も多いんじゃないでしょうか。

当時『ちびまる子ちゃん』と同時期に連載されたいた記憶があります。りぼん90年代後半の黄金期を代表する作品のひとつが『こどものおもちゃ』です。

90年代と言えば『あっぱれさんま大先生』という大人気テレビ番組がありました。子役タレントたちが学校の生徒役、明石家さんまさんが先生役で、大人を食ったような歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ)面白トークでお茶の間を賑わせていました。子役の彼らはトーク力が素晴らしく、すごく『大人っぽい子ども』という印象でした。

そんな時代に連載をスタートした『こどものおもちゃ』の主人公も、天才子役と言われた小学6年生の紗南(さな)ちゃん。

私はリアルタイムで読んでいたのですが、最初は子役の紗南ちゃんが女優になっていくお話だと思っていました。しかし話が進むととんでもないシリアスなお話で、毎月どうなってしまうのかハラハラしながら連載を追いかけていました。

連載が終わって、大人になっても『こどものおもちゃ』は何度も読み返している作品です。

何というか戒め?のように読んでいる気がします。言語化すると大人としての目線、子どもとしての目線を忘れないように。かなあ。

『こどものおもちゃ』ってどんな作品?

TVやCMで活躍中の子役・倉田紗南(さな)は、超元気な小学6年生。明るくポジティブで誰とでも仲良くなれる紗南が、クラスで起きている「先生いびり」に立ち向かうところから物語が始まります。

先生いびり。学級崩壊の音がする。

クラスを仕切る問題児・羽山秋人との衝突から始まり、やがてお互いの複雑な家庭環境が明らかになっていく——。笑いと感動と涙が交互にやってくる、少女マンガとは思えない深みのある作品です。

📖 作品情報
著者:小花美穂
掲載誌:りぼん(集英社)
連載期間:1994年〜1998年(全10巻、完結済み)
受賞:第22回講談社漫画賞少女部門
メディア化:テレビアニメ化(1996年〜1998年)

笑いと涙の振れ幅が異常

紗南ちゃんは陽キャの星から来た明るい・元気・言いたいことは言う、というタイプの子なのですが、紗南ちゃんのハイテンションなギャグシーンの次のページで、突然ズシンと重い展開がくる。この落差が半端じゃない。

紗南ちゃんの視点で読むと、学級崩壊やいじめなど、子供だけの世界で起こっているようなどん詰まり感と閉塞感がすごくある。クラスの空気の重さとかリアルで胃が痛くなる。

でも必ず紗南ちゃんの明るさが光を当ててくれるから、読んでいて暗い気持ちになりすぎない。このバランス感覚が絶妙で、小花美穂先生の力量を感じます。

ひとさじ
ひとさじ

大人は何をしているんだ

子供の目線で描く大人のリアル

この作品が深いのは、子供の視点から見た大人の複雑な事情が描かれるところです。

紗南ちゃんの家庭事情、羽山の家族問題——どちらも子供が背負うには重すぎるテーマが、紗南ちゃんという明るいキャラクターのフィルターを通して描かれます。

こどもは大人が思っているほどこどもじゃないし、大人はこどもが思っているほど大人じゃない

ずっとこの言葉は記憶と胸に焼き付いてます。

ひとさじ
ひとさじ

💡 子供の頃に読んだ記憶がある方は、ぜひ大人になった今読み返してほしい作品です

紗南と羽山の関係性が唯一無二

紗南ちゃんと羽山の関係性が、とにかく好きなんですよ。別に恋愛関係じゃない、けど友達以上のような関係。お互いを『信じている』この一点かなと思います。だから踏みとどまれる。絶対向こう側にいかない。

最初は「先生いびりをする問題児」として登場する羽山が、紗南ちゃんと関わることで少しずつ変わっていく。でも羽山が変わるだけじゃなく、紗南も羽山によって変わっていく。お互いがお互いに影響を与え合う関係性が、読んでいてじわじわと好きになっていきます。

「羽山が泣きながら紗南に本音を言うシーン」は、読んだ人ならわかる名シーンのひとつです。紗南のキャラクターが強烈だから、羽山の感情が動く瞬間の重みが全然違うんですよ。

思い出しても涙出てくる……

ひとさじ
ひとさじ

羽山と紗南ちゃん、お互いがいなきゃダメって言える関係性が脆くて、でもとても強い。

りぼん黄金期のバトンを受け取った作品

1994年はりぼんにとって転換点の年でした。

姫ちゃんのリボンが終了し、こどものおもちゃが連載開始。1995年にはマーマレードボーイが終了し、1996年にはちびまる子ちゃんが終了——そんな黄金期の後半を、こどものおもちゃは全力で支え続けました。

アニメでも「姫ちゃんのリボン」→「赤ずきんチャチャ」→「こどものおもちゃ」とりぼん作品がバトンをつないでいた時代。その最後のバトンを受け取った作品でもあります。

りぼんを読んでいた世代にとって、「こどものおもちゃ」は黄金期の記憶と一緒に刻まれている作品です。

こんな人におすすめ

  • りぼん黄金期を懐かしみたい人
  • 子供の頃に読んでいて読み返したい人
  • 笑いと涙のバランスが好きな人
  • 深みのある少女マンガを読みたい人
  • 子役・芸能界という設定が好きな人
  • 完結済みで一気読みしたい人

📦 Amazon・楽天でも購入できます。リンクは近日追加予定です!

読んで感じたこと

子供目線で描く大人のリアル、当時の社会問題、こどもが生きている学校という世界。難しくなりそうなテーマを笑いあり、涙ありで、90年代という時代を一つの物語にきちんと描ききった素晴らしい作品だと思います。

「子供の頃に読んでいたけど内容がうろ覚え」という方に、特に読み返してほしい作品です。きっと当時とは全然違う感動があります。

まとめ

大人になってから読み返すと10倍刺さる名作

  • 笑いと涙の振れ幅が異常で、感情が忙しくなる
  • 子供の視点から描く大人のリアルが深い
  • 紗南と羽山の唯一無二の関係性が胸に刺さる
  • りぼん黄金期のバトンを受け取った歴史的名作
  • 全10巻完結で一気読みしやすい

記事を書いていたら名シーンがフラッシュバックしてしまいました😭

タイトルとURLをコピーしました